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食事性コレステロールまたは卵の摂取と心血管疾患・死亡率の関連

コレステロールは、飽和脂肪酸や動物性タンパクなどと混在して食物に含まれるため、食事からのコレステロールの摂取は、心血管疾患やその死亡と直接関連するかは必ずしも一定しか見解は得られていません。食事からのコレステロールのソースは、卵や赤身肉、鶏肉、魚介類、乳製品が主ですが、とくに卵の黄身は、食事性コレステロールが多く、50gの大サイズの卵は186mgのコレステロールを含むとされています。

ARIC、CARDIA、FHS、FOS、JHS、ESAの6つの前向きコホート研究から29615人が解析されました。追跡期間の中央値は17.5年で、CVDイベントが5400件、全死亡が6132件発生しました。食事性コレステロールまたは卵の摂取の増加に伴い、CVDイベントと全死亡は単調な増加が認められ、300mgの増加毎に、CVDイベントのハザード比が1.17、全死亡が1.18増加しました。卵の摂取も個数の増加に伴い単調にリスク増加が認められ、1日あたり1/2個増加する毎に、CVDイベントと全死亡のハザード比はぞれぞれ1.06、1.08増加しました。ただし、卵の摂取は、食事性コレステロールの消費量で調整するとそのリスクは消失しました。

本研究では、食事性コレステロールまたは卵の摂取は用量依存性にCVDイベントと全死亡を増加させることが明らかとなりました。