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女性における脂質レベルと出血性脳卒中リスクとの関係

今回の19.3年に亘る前向きコホート研究では、Women’s Health研究に組み入れられた女性2万7937人を対象に、LDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪と脳梗塞との関係が調査されました。

LDLが100-129.9mg/dLに比べてLDL70mg/dL未満では、出血性脳卒中は

相対リスク2.17倍と高く、一方、LDL130-159.9mg/dLと70-99.9mg/dLでは、 リスクの上昇は認められませんでした。160mg/dL以上では、有意ではなかったもののリスクが上昇する可能性が示唆されました。

さらに、中性脂肪も空腹時74mg/dL以下または非空腹時85mg/dL以下では、最も高い四分位群と比較し出血性脳卒中は2.0倍高くなることも示されました。

HDLや総コレステロールと出血性脳卒中のリスクとは相関が認められませんでした。

この結果は、現在のようにスタチンが広く使われる前に採血が行われており、元々低値であった女性のリスクを示したものと言えます。したがって、LDLや中性脂肪が高値で、薬剤によって低下させた場合、同様の結果が得られるかはわかりません。一方で、LDL値をどこまで下げるべきか専門家の意見も分かれています。