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アトラセンタンは2型糖尿病腎臓病の進行を減速する
2型糖尿病の合併症として、腎症は大きな問題です。人工透析の原因疾患の第1位であり、行政も腎症の進展予防に力を入れています。 最近では、古典的な糖尿病腎症の経過を辿らない腎症も多くなっていることから、糖尿病性腎臓病という名前が多く使われるようになり、SGLT2阻害薬がその進展予防に有用なことが多くの研究で報告されています。
今回の治験では、選択的エンドセリンA受容体拮抗薬であるアトラセンタンが、顕性アルブミン尿を有する2型糖尿病者の腎機能を保護し、腎不全への進展抑制することが報告されました。対象は、年齢18~85歳、尿中アルブミン・クレアチニン比(UACR) が300~500mg/gなどで、ACEIかARBを4週以上併用していることが条件でした。
ただし、効果のあった参加者は、UACRが51.8%減少、収縮期血圧も6.1mmHg低下していましたが、 効果のなかった参加者も27.8%いました。また、心不全の抑制効果は認められませんでした。
はっきりわかりませんが、効果のある対象者を選択できれば、新たな治療戦略として選択的エンドセリンA受容体拮抗薬が効果を発揮しそうです。